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山上 一夫 著
「新・財務整理と清算の実務全書」

(税務研究会出版局 2003年10月刊)


 本書は、平成6年に出版した同一書名の出版物をベースに、その後における商法、会計並びに税務の制度的大改革を織り込み、大部分を新稿として差し替えた新版である。

 原則として、改訂版は賞の対象にはならないのであるが、著者の述べるように、前著出版後における商法、会計、税務の大きな改正があったため、大部分の書き直しによるものであるから、新版として出版したといわれている。審査会もその観点から審査した結果、新著としての取り扱いで、今回の授賞に至ったものである。

 内容的に、株式会社の部、有限会社の部、合名会社の部、合資会社の部の四部立てとなっている。総ページが740ページに亘る大部のもので、そのうち株式会社の部には546ページがあてがわれている。
 著者は、企業組織再編成の手法を「攻めの面」で合併、増資、営業譲受、株式譲受、持株会社の設立などを位置づけ、「守りの面」で会社分割、減資、営業譲渡、株式譲渡などを位置づけている。

 内容を、基本となる株式会社についてみると、第1編「会社の財務整理」においては、商法上の整理に始まり、会社更生法、民事再生法等による整理と合併による整理を含む広い範囲の諸問題を扱っている。
 執筆姿勢として、「設例」による説明が図解を交えて具体的に進められている。さらに数値例によって、確定申告書等の作成の実務を解説している。その意味で、制度解説と仮説例による解説とが相俟って、実務にとって理解しやすい体系化が試みられている。

 著者は以前から数多くの実務解説書において、図表等を用いて、難解かつ複雑な内容を、実務家に理解しやすい形で解題してきたが、その手法において、この領域では第一級のライターとしての評価は高い。
 著者のかかるひたむきな熱意を結集した成果が、本書において如実に表現されている。著者の長年に亘る研究向上心とその発露となった作品として受け止め、審査会はかかる著者の実務への貢献を讃える意味で、租税資料館賞を贈ることを決定したのである。

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