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髙田 順三 稿
「中小企業の決算・申告の適正性を誘導する法規範等に係る一考察」

(亜細亜法学 第39巻第2号 平成17年1月刊)


 本稿は、法人税法74条に規定され、企業の実務にすでに定着している確定決算主義による税務処理と、決算の信頼性確保と適正な納税を図るための制度として注目されている申告書に添付される書面添付制度との関係について検討している。

 本稿によれば、両者の結びつきは、次ぎのとおりである。すなわち、確定決算主義により商法決算と税務決算は結びついており、企業は商法に基づき決算を行い、確定した決算に基づき税務計算を行うことになる。

 さらに、確定決算主義を中小企業の属性及び特徴の視点からみている。すなわち、中小法人には税務申告の手続きの簡素化等利便性等が追求されているといわれている情勢において、確定決算が「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」に従って作成されている。この場合に、国際会計基準の適用を受けない中小企業においては、法人税法による税務申告が強く求められ、税法に基づいた計算が企業間の取引の信用供与の基準となるなど、税務申告書であることの利便性も認められる。適正な課税所得の算出には、企業会計の適正性の確保が求められ、そこで、昭和31年には、税理士自らが申告書の作成に関与し、計算し、整理し、相談に応じた事項を記載した書面を申告書に添付することができるなどの、書面添付制度が創設され、その後の改正によって、他人の作成したものについての書面添付制度などにまで拡大された。また、帳簿に立ち入って計算するなどということは、同時に、税理士が誠実義務、忠実義務を十分尽くしたということを立証することにも役立つと考えられる、と説明している。

 全体の記述において、中小法人の属性、特性をもっと詳細に記述していれば、より説得力のある論文になると思われるが、書面添付制度と、確定決算主義や企業会計原則との関連、あるいは、申告書に係る関与税理士の責任、役割などが、明かにされているなど、高く評価すべきものである。

論 文(PDF)・・・・・・639KB


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