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大坂 公恵 稿 (金沢学院大学大学院 院生)
「所得税法における課税単位の研究」 ―主として所得税法56条の解釈について―
(金沢学院大学大学院 修士論文 平成17年1月)


 本稿は、所得税法56条が設けられて50年余を経過したが、その現在的意義を探るべく、(1)立法趣旨、(2)時代の変遷への対応、(3)「生計を一にする」の意義等の見地から検討している。

 その前に、課税単位における問題点の検討(複雑性、課税の公平、租税回避への誘引、税制の婚姻中立性の要請)、人的控除の在り方、同一生計親族に対する対価の取扱い(所得税法56条の沿革、立法趣旨等)、所得税法56条の解釈(東京地裁平成15年判決の検討)、時代の変遷(女性の社会進出等)、法人成り課税との整合性、親族への対価の支払は租税回避といえるか、「生計を一にする」の意義、「従事したこと」の意義、「所得は誰に帰属させるべきか」などにつき、所得税法56条の現在的意義などの項目から、広範囲に詳細に検討している。

 この現在、問題とされている事項について、外国法との比較や立法の経緯、現在の種々の解釈論を丁寧に、かつ、詳細に検討している。また、「所得は誰に帰属させるべきか」という項目の下に「なぜ生計の中核にある者一人に所得を帰属させるのか」などを検討し(生計の主催の場面と、所得を稼得する場面とは直接の関係がないと結論している。)、時代の流れを無視するような在り方を批判しているなど、優れた分析を基に今後の在り方を研究している。

 表題(課税単位の研究)は、やや誤解される感があるものの、修士論文として優れたものであり、奨励賞に値するものとして高く評価すべきものである。

論 文(PDF)・・・・・・3.23MB


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