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髙橋 祐介 著
「アメリカ・パートナーシップ所得課税の構造と問題」

(株式会社 清文社 平成20年3月刊)


 本書は、アメリカの連邦所得税制におけるパートナーシップ所得課税を主たる検討対象とし、その構造と問題点を明らかにすることにより、あるべき組合課税を論じることを目的としている。

 制度的構造については、パートナーシップの稼得した所得とその配賦、パートナーシップ持分の基準価格、パートナーシップに対する出資とビルトイン・ゲイン、ロス(出資時の含み益、含み損)の配賦、パートナーシップ持分の譲渡、パートナーシップからの分配と所得課税、ファミリー・パートナーシップ(家族間で設立されたものなど)の稼得した所得、パートナーシップ課税年度と持分変動時の所得配賦等アメリカ連邦所得税法(内国歳入法701条ないし777条等(サブついャプターK))におけるパートナーシップに関する規定を下に、財務省規則、議会における立法資料等、行政先例、学説、意見書等を加えて説明している。

 次に、重要と思われる事項について、問題点や対応策を示している。例えば、所得の配賦については、(1)最終的損益を分配割合に応じて個々の組合員の総収入等に算入する方法、(2)収入金額、原価費用等を分配割合に応じて個々の組合員の総収入金額に算入する方法、(1)収入金額、支出、資産、負債等を分配割合に応じて組合員のそれらと取扱う方法とがある(所得税基本通達36・37共に19の2等)が、(3)が適用される場合を除き、(2)を充たす限り、契約の定めに従って各組合員に配賦される。

 また、出資と分配については、出資前含み益を出資者に正確に配賦する方法を確立することであり、公平かつ簡素に資するとする、等々である。

 本書は、非法人形態で営まれる事業組織の課税問題という複雑な研究分野に焦点をあてた意欲作である。パートナーシップ所得課税のルールと問題点を明らかにしており、文献的価値の高い、かつ、完成度の高い力作、として評価されるべきものである。


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