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大芝 竜敬 稿
「組織再編税制改正に伴う諸問題―調整勘定の税務処理を中心に―」
(早稲田大学大学院 院生)

 本論文は、組織再編税制に関するいくつかのトピックについて論じている。我が国の組織再編税制において、組織再編成の対価として株式以外の金銭等の交付を一切認めないことにつき、投資の継続性という要件について厳格すぎると指摘し、投資の継続性が客観的に認められる範囲に関しては、適格と認めるべきとしている。また、従業員引継要件が、資産の支配への継続性を考える際になぜ重要な要件となっているのが疑問だとし、その緩和が望ましいとしている。

 退職給付引当金の廃止の後、法人税法22条3項1号に関しては、解釈上、費用認識することができるが、2号に関しては費用認識できなくなることを問題とし、法人税法において、整合性のある規定を検討することが望ましいとした。

 また、現行法において、合併等の組織再編成がない場合で、非適格株式交換・移転、連結納税制度適用の開始が生じた場合に認識される営業権に関して、制度がどのように整備されているか明確でないと指摘し、資産調整勘定および営業権を明確にする取扱いの整理が求められるとしている。

 本論文は、組織再編税制における多くのトピックについて、検討している。これらのトピックは、今後、重要な課題となりうるものである。論考においては、米国の事例等も適宜、引用しつつ考察を進めており、結論もそれなりに妥当である。ただし、多くのトピックを取り扱っていることもあり、それぞれの論点の分析は深さに欠けるきらいもあるが、各論点については、今後、さらに研究を進めていくことが期待される。


論 文(PDF)・・・・・・816KB


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