河辺 大亮 稿「国際的な電子商取引と消費税課税の一考察」
国際的な電子商取引は急速に普及しつつあるが、日本の消費者が、海外の事業者から直接インターネットで、商品を購買した場合、その商品が有形物(CD等)であるときと、無形物(デジタル商品等)であるときとで、事実上、消費税の執行の取扱いが異なることとなり、また、その場合、デジタル商品の提供者が、国内に所在するか否かによって課税か、非課税かが変わってくる。 このような消費税の問題点について、本論文はEUの取り組み状況を参考にしつつ、問題点を検討したものである。 まず、「序論」において、本論文の全体の流れをまとめ、国際的サービス取引について総まとめ的説明をして、課税関係の根拠条文を示している。そして、「本論」の第1章において、国際的サービスに対する消費税課税を総括的に検討し、第2章において、この問題についてのEUの対応を述べている。まず、第1章では、音楽配信サービスをこの間題の典型取引として捉え、その表題としているが、国際的電子商取引の急速な増加の状況をB そして、有形物と無形物の取引に対する消費税の課税システムを、国内取引と輸入取引に分けて説明し、また、税務執行上の問題を国内取引と国際取引に分け、また、それぞれB この間題についてのEUにおける対応を次の第2章において検討し、まず、消費税課税についての原産地課税(origin principle)と仕向け地課税(destination 本論文は急激に増大し重要な問題となっている電子商取引、特に、サ-ビス取引に対する消費税課税の問題を、EUの例に検討を加えながら論じたもので、時期に即した意義のある研究成果がまとめられている。説明にも要を得た図説が加えられており、特に、巻末には「EU、OECDにおける検討の経緯」や「E 論 文(PDF)・・・・・・2.60MB |