沖村優輝 稿「投資ファンドの租税条約適格性に関する一考察」
本稿は、経済のグローバル化に伴い、国境を越えて行われる投資ファンドの租税条約上の適格性を論じるものであるが、論文の構成は、次のようになっている。 第1章 投資ファンドの租税条約上の問題点 第2章 投資ファンドの租税条約適格性についての検討 第3章 投資ファンドを利用したトリティ・ショッピングへの対処 終章 おわりに 以上のように、本稿は、投資ファンドの租税条約上の適格性を論じることによって、当該投資ファンドに係るトリティショッピングの防止策を論じるものである。著者が指摘するように、投資活動がグローバル化する中で、投資ファンドに対する課税のあり方、就中、租税回避への対処については、今後一層重要性を増すものと考えられる。また、このような問題については、先行論文よりも少く、本稿が先駆的役割も果たすことも期待できる。更に、本稿では、種々事例を想定して、解り易いように図解するなど、実証上の工夫もこらされている。このような視点から、本稿は、受賞論文として評価できる。 しかしながら、本稿については、論文の構成等においてやや難があり、結論についてもやや一方的な所が見受けられる。よって、それらの点について、今後一層の研鑽が望まれる。 論 文(PDF)・・・・・・408KB |